研究実績の概要 |
本研究の目的は,切り返しによるACL損傷の危険性の高い選手を正確に予測できるスクリーニングテストを開発し,スポーツ活動中のACL損傷予防の実現への一 助とすることである.スポーツ活動中のACL損傷は,相手をかわす「切り返し」によって受傷することが多い.ACL損傷を予防するには,選手の動きから受傷の危 険性を正確に予測できるスクリーニングテストが不可欠である.スクリーニングテストの開発には,動作中の関節ストレスの解明から評価法の整合性と有用性の 検証までの一貫した研究が必要である. 切り返しによるACL損傷の危険性の高い選手を正確に予測できるスクリーニングテストを開発するため,切り返しのビデオ動作解析を用いた評価法の整合性に ついて検討している.考案した切り返し動作中の関節ストレスに関連する膝関節と体幹の運動について,3次元動作解析とビデオ動作解析の運動学的データの整 合性を検証するにあたり,ビデオ動作解析の計測方法および解析方法について検討を重ねた. 切り返しによるACL損傷のスクリーニングテストの有用性の検証に向けて,一定の母集団に対して3次元動作解析とビデオ動作解析の運動学的データの整合性の 検証を実施した.この結果については国際学会で報告し,着地動作のほかに切り返し動作をスクリーニングテストの動作課題とする意義が示される結果となっ た.ビデオ動作解析を使ったスクリーニングテストの開発を目的として,スポーツ選手を対象に測定を実施した.現在,解析途中であるが,ビデオ動作解析を使ったスクリーニングテストの有用性を示すことができる見込みである.
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