研究課題/領域番号 |
18K17814
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
星川 雅子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 先任研究員 (60284923)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 睡眠 |
研究実績の概要 |
本研究は①アスリートの睡眠衛生改善のための研究と②アスリートが実施しやすい時差調整法に関する研究の2つの研究から構成される。 ①アスリートの睡眠衛生改善のための研究の目的は、アスリートの睡眠の問題について、その改善に効果的と思われる睡眠衛生項目を提案し、その効果を検証することであった。 まず最初にピッツバーグ睡眠質問票による睡眠評価、ミュンヘンクロノタイプ質問紙によるクロノタイプ評価、練習・トレーニングスケジュールの調査を行った。ミュンヘンクロノタイプ質問紙で調べた睡眠の中央時刻が5より遅く、午前9時30分より前に練習・トレーニングを開始するアスリートを対象に、起床直後に20分~30分の高照度光照射と睡眠直前の電子機器利用制限を提案し、実施させた。2週間の介入期間中の睡眠はアクチグラフで、起床時の主観的な睡眠の質・疲労感は10段階のリッカート尺度で評価させた。 そして、2週間の介入期間前後にエプワース眠気尺度、POMS(疲労・活力)の調査、パフォーマンステスト(精神動態覚醒水準課題、握力、垂直跳び、スクワットジャンプ、リバウンドジャンプ、特定の強度での自転車エルゴメーター運動)を行った。また、実施中の睡眠感について、ヒアリングをおこなった。2週間の介入によって、エプワース眠気尺度、POMSの活力指標、精神動態覚醒水準テストの結果に有意な改善が認められた。ヒアリングでは、「午前中の練習・トレーニングにとりくみやすくなった」「夜中に目が覚める日数が減った」などの声がきかれた。 現在、上記実験に参加したアスリートは20名である。 時差調整の研究は、使用するメガネ型光照射機器に関して調査を行った。次年度から実験を開始する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アスリートの睡眠衛生の改善に関する研究に関しては、被検者となる選手の応募が予想よりも少なかった。 時差調整の研究は、使用するメガネ型光照射装置の選別に時間を要した。次年度から実験を開始する。
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今後の研究の推進方策 |
睡眠衛生の研究は、引き続き、アスリートの応募を受け付ける。 時差調整の研究については、次年度から一般成年男女を対象に開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
時差調整の研究は、使用機器の選別などの理由で遅れていた。この分の費用を次年度から実施する研究の費用にあてる予定である。
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