研究課題/領域番号 |
18K17815
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
吉本 隆哉 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 契約研究員 (20756465)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 臀筋群 / ハムストリングス / 内転筋群 / ノルディックハムストリングス / ヒップスラスト / グッドモーニング |
研究実績の概要 |
本研究ではT2強調画像を用いて,1)スプリント走における下肢筋群の筋活動水準を明らかにしたうえで,スプリント走に重要となる筋を究明し,2)各レジスタンストレーニングについて,筋毎および同一筋内の筋活動水準の部位間差と種目間差を検討する.そのうえで,3)スプリント走で筋活動水準の高い筋の改善を目的としたレジスタンストレーニングの継続的な実施が筋の形態的特徴および力学的特性,疾走能力に与える影響を明らかにすることとした. 1)臀筋群および大腿二頭筋長頭,半腱様筋,内転筋群に大きな筋活動がみられた一方,大腿直筋を除く大腿四頭筋ではほぼ筋活動がみられなかった.また,競技レベルによる違いはみられなかった. 2)では,ヒップスラストでは臀筋群および内転筋群の,ノルディックハムストリングスおよびレッグカールでは半腱様筋の,グッドモーニングでは大腿二頭筋および半腱様筋を含むハムストリングスの筋活動水準が高く,それ以外のトレーニングでは臀筋群の筋活動が高まる一方で,大腿直筋を除く大腿四頭筋の筋活動が高いことが明らかとなった.加えて,ノルディックハムストリングスおよびレッグカールを除くすべてのトレーニングで,半腱様筋の活動はほぼみられなかった. 2)の結果を受けて,3)ではスプリントパフォーマンスの向上に効果的なレジスタンストレーニングとして,ヒップスラスト,ノルディックハムストリングスおよびグッドモーニングを3か月実施し,下肢筋群の筋形態,筋機能および疾走能力に与える効果を検証した.その結果,各トレーニングで筋活動が起こる筋群において肥大がみられ,股関節伸展筋力において大幅な改善がみられた.さらに,100m走の競技パフォーマンスを決定する最高疾走速度にも有意な向上が認められた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2年かけて実験を行う予定であったが,1年目ですべての実験が完了し,分析・執筆作業に入ったため.
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今後の研究の推進方策 |
データ収集は終了したため,分析を進め,成果を論文ベースで発表する.
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次年度使用額が生じた理由 |
トレーニング機器を中古を購入することで,予算を抑えることができた. 一方で,申請者の所属機関が変更になったことから,追加の実験を行う際に旅費等が必要になったことから,抑えた予算をそちらに分配し,使用する.
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