研究課題/領域番号 |
18K17818
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
長谷川 弓子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (20712871)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スポーツ / 距離感 / 知覚 / キネマティクス / フィードバック / 行為表象 / 誤差予測 / 精度 |
研究成果の概要 |
本研究の結果から,未熟練者(アマ)の距離感の特徴として,インパクト速度が速く,力積としてより大きく発揮され,結果として物理的にオーバーシュートしていた試行を適切と感じており,出力が上方向にシフトする傾向を有することがわかった。熟練者(プロ)においては,顕著な特徴は見られず,物理的距離からのズレは少なかった。 また,多くのプロが環境の微妙な違いを知覚した一方で,アマの半数以上が,環境知覚段階で視覚-体性感覚エラーに問題があったことが明らかとなった。したがって,運動技能水準の違いは,環境知覚段階から現れることが示唆された。さらに,選好される方略は技能水準によって異なることも明らかとなった。
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自由記述の分野 |
スポーツ心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的意義として,技能水準のような行為者の内部状態(心理状態)に着眼し,その内部状態の差異(能力) によって環境の知覚の解像度や選好される方略が異なることを明らかにした点にある。 本研究の成果の社会的意義として,ヒトの知覚は眼に映る光のパタンだけでなく,記憶や期待,情動によって形作られることが知られているが,本研究の結果から,運動課題の学習の進捗状況によって,周囲の状況に対する認知が異なることが明らかとなった。したがって,運動を学習する際には,運動技能だけでなく,周囲の状況を適切に認知できるような訓練を積む必要性について提言できると考えられる。
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