研究課題/領域番号 |
18K17823
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
張 潮 福井大学, 学術研究院工学系部門, 助教 (70803419)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 人物姿勢推定 / 進化的アルゴリズム / 最適化手法 |
研究実績の概要 |
ノイズが乗っている実データから人物ポーズの推定精度の向上を念頭に,本研究では2次元および3次元のデータから人物の姿勢推定を行い,標準姿勢と照会することによって姿勢矯正アドバイスを解析する研究に取り組んでいる.また,複数人物が存在する場合の協同性を考慮し,膨大なデータからパラメータの最適化を行っている.
そのため,今年度は,主に姿勢パラメータの最適化に欠かせない基礎的なアルゴリズムを複数提案した.特に,多様性の維持を重視し,効率的に最適なパラメータを探索する方法をジャーナル論文にて発表した.PBOと呼ばれるこの提案手法は,交叉という進化的操作の代わりに,他個体の影響を受けない操作を提案することによって,各個体の適応度に応じて効率的な探索が行える.既存手法では全域的最適解が見つかりにくい問題に対しても,提案手法では局所解に頑健な解探索が可能で優れていることが分かった.また,単一の2次元姿勢のみを用いた3次元姿勢推定を行い,3次元姿勢の関節角度制限を元に関節の奥行きの推定を行う問題に取り込んだ.さらに,ノイズを除去するため,3次元点群のフィルタリングといった前処理手法も開発した.これらの研究成果について,ジャーナル論文1件,国際会議2件,国内会議において4件を発表した.以上が今年度行った本研究についての報告である.
さらに次年度の計画として,姿勢矯正アドバイスを解析するため,より正確な骨格モデルの抽出が必要である.対象の位置変化やスケーリングに,変形と見え変化に対するロバスト性を向上させる予定で改良を進めていく.具体的に,確率モデルを適用し人物の2次元・3次元データのモデリングを行い,ノイズにロバストな骨格抽出を目指す.また,協同性を活用しシステム全体の精度を向上させるため,グラフィカルモデルを用いた追跡も検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度では,人物姿勢検出,姿勢パラメータの最適化及び協同性センシングに欠かせない基礎的なアルゴリズムを開発した.まず,多様性の維持を重視し,効率的に最適なパラメータを探索できるアルゴリズムを提案した.各関節を座標値でパラメータ化することが可能であるため,効率的に最適なパラメータを探索する方法は本研究において極めて重要である。また,3次元データのノイズ除去手法や単一の2次元姿勢から3次元姿勢の推定手法を提案した.これらの研究の成果について,ジャーナル論文にて1件,国際会議2件,国内会議において4件を発表しており,次年度以降の研究にとって重要である. 次年度では,確率モデルを適用しデータのモデリングを行い、協同性をを取り入れることでより正確な人物姿勢推定フレームワークを開発する予定である.以上の理由から,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
まず,姿勢矯正アドバイスを解析するため,より正確な骨格モデルの抽出が必要である.対象の位置変化やスケーリングに,変形と見え変化など様々な変化に対するロバスト性を向上させるための最適化を行う予定である.つぎに,確率モデルを適用し人物の2次元・3次元データのモデリングを行い,ノイズにロバストな骨格抽出を目指す.また,協同性を活用しシステム全体の精度を向上させるため,グラフィカルモデルを用いた追跡も検討している.さらに,アルゴリズム全体の高速化を行う予定である.今年度は,これらの手法の導入を検討し,実験・検証においても質の向上や研究スピードを向上させ,推進していく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品費に関して,想定よりもデータ量を少なくなったため,一部を次年度に購入することとした.また,当初想定したトナーなどの消費量が少なかった.以上の理由により,残額が生じた. 来年度では,複数件の学会発表が控えており,物品費より旅費支出・成果発表に使用する費用が高くなる見込みである.計算機など研究に必要な基礎物品を今年度で購入したが,実験に必要な追加物品と購入しなかった消耗品を購入する予定である.また,以下の使用を計画している.学会発表の旅費として,関東および西日本方面における調査・研究を兼ねた成果発表(3日間×3,30万円),欧米もしくはアジア地域における国際会議での調査・研究を兼ねた成果発表(5日間×4,80万円)を予定している.また,研究成果の論文投稿料(1件,10万円)や計算機(1台,10万円)などの購入を予定している.研究補助の人件費として大学院生(1名以上)に対して研究協力謝金を支出する予定である.
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