研究課題/領域番号 |
18K17824
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河村 晃宏 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (60706555)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 運動計測 / スポーツクライミング / モーションキャプチャ / 力覚センサ / 情報提示インターフェース |
研究実績の概要 |
本年度は,前年度に開発したシステムの改良,力覚センサ数の増加,情報提示インターフェースの開発を行った.まず,システムの改良点として,力覚センサシステムに用いる治具やカバーを再設計することで,十分な強度を維持したまま,厚みを低減した.また,力覚センサシステムを6台まで増加させ,一度の計測で力の測定が可能なホールド数を増加させた.これによって,四肢全ての力覚情報の測定可能が可能となり,情報がリッチになるだけでなく,モーションキャプチャシステムとの正確な同期を実現した.更に,3DモデリングソフトのUnityを用いて,モーションキャプチャシステムから得られた全身の運動モデルと,力覚センサから得られる力情報をipad上に3Dモデルとして表示するシステムの開発を行った.これによって,計測データを競技者やトレーナーにフィードバックし,動きの修正やコーチングに利用可能となる.最後に,これらの新たに開発したシステムを用いて,実際のクライミングジムにおいて運動計測を行った.この実験結果より,モーションキャプチャシステムと力覚センサシステムとの同期確認,四肢の力配分,初級者と上級者の新たな差異を確認した. また,前年度の研究成果を国内学会(第20回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 SI2019)や国際学会(2020 IEEE/SICE International Symposium on System Integration (SII))等において発表し,SI2019では,優秀講演賞を受賞した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の計画通りに研究が進んでいる.前回の課題として挙げていた力センサの無線化については,課題を設定するルートセッターより,力センサの厚みの低減がより重要な要素であるとの助言を受けたため,そちらを優先して行った.
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今後の研究の推進方策 |
力覚センサの厚みの問題を抜本的に解決する方法として,ホールドを固定するためのボルトをセンサ化することを計画している.ボルト上に歪みゲージを複数設置し,獲得した情報を6軸力センサによってキャリブレーションすることで,3軸力センサとして利用する.また,最終年度のため,これまでに改良したシステムを用いて,多くの被験者を集めた実験を行う予定である.
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