研究課題
本研究では、胎児期の発育状況とその後の身体活動状況の調査により、『幼少期の身体組成』を決定する要因は何か? という「問い」の解明のために、幼少期の身体組成の変化を明らかにすること、そして、この変化に、胎児期の発育状況とその後の身体活動状況が与える影響について明らかにすることを目的とした。1年目は、年少・年中・年長の各200名程度を対象に横断研究を実施した。具体的には、前腕、上腕、大腿、下腿の長さと周囲径を計測するとともに、超音波Bモード法により前腕部前面、上腕部前面・後面、腹部、大腿部前面・後面、下腿部前面・後面の8部位の筋厚と皮脂厚を評価した。加えて、活動量計を用いた現在の歩数や強度別身体活動時間の評価や、アンケートにより出生時体重・身長・在胎期間や、過去の運動習慣・経験を調査した。これにより、幼児の身体各部位の筋厚や皮脂厚には、性差や部位差があること、また、これらには身体活動量や強度が関係していることを明らかにした。2年目には、1年目に測定した約200名の年少児を対象に2年目の測定を実施し、1年間の身体組成の変化に胎児期の発育状態やその後の身体活動状況が与える影響を検討した。また、新たに約200名の年少児を対象に測定を行い、縦断研究のサンプル数を増やすとともに、研究体制の整備を行った。現在は、2年目の調査までのデータを含めたデータ分析を実施しており、論文執筆に向けて検討を重ねている。さらに、1年目に測定した年少児は本年度に年長児となることから、3年目の測定に向けて準備を進めている。
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