研究課題/領域番号 |
18K17838
|
研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
中村 絵美 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (10780223)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 少年野球 / 投球障害 / 障害予防 / 成長期 |
研究実績の概要 |
本研究は,発育のスパート期にある中学野球選手に対する投球障害予防プログラムを考案し,その介入効果を検証することで新たな障害発生の予防につなげることを目的としている.これまでに,県内の中学野球選手に対して疫学調査を実施し,硬式および軟式選手ともに,投球時に肩痛や肘痛を経験した選手が半数以上に認められた.また,メディカルチェックを実施し,測定時に痛みを有していた選手は硬式では18%,軟式では14%に認められ,医療機関の受診が必要であった.身体機能においては,硬式選手において上肢の柔軟性低下が認められ,使用球の違いにより肩肘へのストレスが異なる可能性が示された.中でも肘関節伸展可動域において痛みを有する選手では痛みのない選手に比べ,有意に左右差が大きく,投球側の肘が伸びていないことが明らかとなった.(第29回日本臨床スポーツ医学会学術集会発表,札幌2018.11.2-3)これらのことから,肘関節伸展可動域の維持は中学生の投球障害予防において重要であり,定期的にセルフチェック等で現場でも評価を行う必要があると考えられた.また,我々は,測定を行った選手に対し,メディカルチェックの結果から改善すべき身体機能項目に対するストレッチを個別でフィードバックを行い,実践を促している.現在,同一対象選手に対して追跡調査を行っており,ストレッチ実施の有無による障害発生の変化について縦断的に検討していく予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,中学野球選手を対象にオフシーズンである11月から2月の間にメディカルチェックによる各種測定を行っている.そのため,その後の追跡調査において年度をまたいだ1年間の調査期間を必要とするため,現在は調査継続中である.また,早期引退(受験等)や対象チーム事情による離脱など,追跡可能対象選手数の減少により,当初より進捗がやや遅れる結果となっている.
|
今後の研究の推進方策 |
現在,障害発生に関して追跡調査を実施中である.今後,10月後半より追跡中の選手に対して再度メディカルチェックを実施し,各種身体機能の変化や障害発生の有無について検討していく.また,年間の身長・体重変化などから成長段階の違いによる投球障害予防のプログラムの考案を進める. さらに,使用する球の違い(硬式球・軟式球)による身体機能や障害発生について縦断的に検討していく必要があると考えている.
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度に使用する消耗品の購入に使用するため.
|