研究実績の概要 |
本研究は,骨端線閉鎖前の中学野球選手を対象に,投球障害の発生頻度および,身体 機能の特徴を明らかにすることを目的とした.はじめに,質問紙および直接問診にて,障害発生に関する調査を 実施し,メディカルチェックにより身体機能を評価した.結果,肘内側障害や肘外側障害を有する選手では,投球側と非投球側の肘関節屈曲可動域の差が障害のない選手に比べ有意に増大していた.また,肘関節伸展可動域においても同様に投球側の伸展可動域が有意に減少していた.これに対し,肩に障害のみられた選手では,有意な肘関節可動域の左右差は認められなかった(JPFSM,2019).そのため,肩関節障害について,今後も検討が必要である.また,追跡調査により,前年度に肘関節に有症状の有った選手において,投球障害予防プログラム(肘関節および肩関節周囲のストレッチング)実施により,有意に症状が軽減する結果が得られた(投稿準備中).しかし,中学生期の成長段階における個別の予防プログラムの効果については,今後も対象数を増やし,検討していく必要がある.
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