ドーピング禁止物質である1,3-ジメチルアミルアミン(DMAA)のラットにおける体内動態を検討した。その結果、DMAAを静脈内に投与すると、35.2%が未変化体として尿中に検出された。また、尿をアルカリ化するとDMAAの尿中排泄は低下し、血中濃度は上昇した。また、DMAAは様々な組織に分布し、腎臓に最も多く蓄積した。一方、DMAAは経口投与または経皮投与によっても吸収されることが示された。以上の結果から、DMAAは腎臓における再吸収により血中濃度が長時間維持され、さらに経口以外の投与方法によっても容易に吸収されるため、経口摂取していない場合においてもドーピング検査時には注意が必要である。
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