研究課題/領域番号 |
18K17842
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
樋口 貴俊 福岡工業大学, 社会環境学部, 准教授 (60726826)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 野球 / 審判 / 視認動作 |
研究実績の概要 |
スポーツの審判員は高速度で移動する人や道具の動きを目視し、正確に判定する技能が要求される。しかし競技者に比べ、審判員の養成や技能向上のためのスポーツ科学的支援は希薄である。また近年、野球の審判員などは今後の人材不足が懸念されている。これまでに申請者は野球打者の投球視認能力について視線計測や投球位置計測の技法を用いて検証を進めてきた。これらの技法を応用して、本研究では野球の投球を判定する球審の養成と技能向上を目的としたトレーニング法の開発と効果検証に取り組む。まず、プロとアマチュアの球審の判定の正確さについて高速度カメラの画像より取得した投球の位置情報から検討し、優れた球審が行う投球の視認動作について視線計測装置を用いて検証する。そして、バーチャル・リアリティ野球環境での視認動作の習得や投球位置のフィードバックが得られるトレーニングの有効性について検証する。本研究の成果を通じて、効率よく球審の技能を高める方法を確立し、我が国のスポーツ発展の一助とする。 2018年度は、仮想空間上で投球の判定を行い、ジャッジの正確さを測定できるシステムを用いて、実験参加者の能力を測定し、投球判定正答率の上位群と下位群に分けて、それぞれの視認動作の特徴について検証を行った。投手の始動から投球到達までにおける1)視線の軌跡と、2)固視点(視線移動が1.5°以下かつ0.1秒以上の局面と場所)を群間で比較した。その結果、上位群の方が、投球リリース場所のより近くに固視点があり、リリース後の視線の動きの再現性も高いことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに機材の調達、被験者の確保を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
投球位置計測については、トラッキング技術の向上や商品開発が進んでおり、当初の計画よりも優れた計測機器を利用することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外から取り寄せた投球軌道計測システムが、為替レートの変動により当初予定していた金額よりも高額になったため。
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