競技スポーツにおけるコーチは,アスリートの最高業績の達成を目的として適切な課題を設定し,それが解決できるようにプランをデザインしなければならない.これまで,様々な評価法(生理学的情報など)が用いられてきたが,これらは断片的であり,統一的な考察を行っても,競技力の問題を適切に抽出することができなかった.これを解決するために,本研究では,レイティング手法を用いて対戦した相手の主観的な情報から競技力とそれに関わる要因を数値化し問題を抽出することを試みた.数値化した競技力を従属変数として技能の各項目についてステップワイズ法で分析した結果,チーム全体の問題(組手と防御技術)を抽出できることが示唆された.
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