研究課題/領域番号 |
18K17864
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
村井 友樹 東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 助教 (30801154)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | スポーツ史 / 大日本体育会 / 軟式庭球 / ソフトテニス |
研究実績の概要 |
スポーツ翼賛団体としての大日本体育会の成立と展開の過程には、各スポーツ競技団体の思惑や葛藤などがそれぞれ異なる形で内在していたと考えられる。一方、戦時期には日本文化である武道が奨励され欧米文化であるスポーツは批判・弾圧の対象となったが、欧米文化であるテニスを日本化したスポーツである軟式庭球は戦時期にどのような状況に置かれ、如何なる活動を行っていたのか。以上のことから、本研究では大日本体育会の成立と展開における軟式庭球の動向を実証的に明らかにすることを目的とした。 研究1年目にあたる2018年度は、(1)先行研究の検討と大日本体育会部会の包括的考察を行った。日本スポーツ協会資料室や国立国会図書館などから各スポーツ競技団体の関係資料を収集し、その資料を基に大日本体育会が設置した23部会の設置時期や形態を把握した。また、(2)戦時期日本の軟式庭球に関する史料の調査・収集を行った。特に、主要史料として用いる日本庭球連盟(大日本体育協会に加盟した1939年に日本軟式庭球連盟へと改称する)の機関誌「庭球」を国立国会図書館、日本体育大学図書館、古書店から収集した。そして、日本軟式庭球連盟が大日本体育会軟式庭球部会に包摂されるまでの過程を解明する嚆矢として、(3)機関誌「庭球」を中心に分析し、日本庭球連盟の大日本体育協会の加盟経緯を明らかにした。この研究成果の一部である「日本庭球連盟の大日本体育協会への加盟経緯-ボール配給問題に着目して-」について、日本スポーツ産業学会スポーツ産業史分科会研究会において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本庭球連盟・日本軟式庭球連盟の機関誌「庭球」については、すべての巻号を収集することができていないことから、史料調査・収集を継続する必要がある。しかし、研究実施計画に示した2018年度の課題は、収集した他の史料で補完することでおおむね遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画に示した通り、2019年度は継続して史料調査・収集を行い、日本軟式庭球連盟の大日本体育会軟式庭球部会への包摂過程を明らかにする。史料については、日本庭球連盟・日本軟式庭球連盟の機関誌「庭球」の未入手分の調査・収集に努める。また、軟式庭球が盛んであったいわゆる外地の朝鮮支部や台湾支部、交流が重要視されていた満州国の軟式庭球に関する史料調査・収集も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
想定より古書の購入費を抑えることができたことから次年度使用額が生じた。この差額は、2019年度の史料調査・収集の旅費として使用する計画である。
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