研究課題/領域番号 |
18K17866
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
加藤 孝基 南山大学, 経済学部, 准教授 (10750771)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | TMS / 筋弛緩 / 運動抑制 |
研究実績の概要 |
2020年度は、筋の弛緩と個人差に関わる研究を進める予定であったが、covid-19による感染リスクのためにヒトを対象とした十分な実験を行うことができなかった。 当初、2020年度に行う予定であった実験は、経頭蓋直流電気刺激を用いるものである。この刺激法は、運動学習の研究やリハビリテーションで近年注目されている手法であり、頭蓋上に貼付した電極から微弱な直流電流を与えることで、簡便かつ非侵襲的に大脳皮質興奮性を促進・抑制することができる。これを用いることで、弛緩がスムーズに出来ない人の脳活動を変化させることで、筋活動にも変化が生じ、学習が促進すると予想される。 しかしながら、先述した理由のために実験を進めることが出来なかったため、2019年度に行った、筋の弛緩に関わる様々な筋・動作を対象にした網羅的実験のデータ整理および論文執筆を進めた。特に、6つの動作(指関節筋の屈曲、手関節の屈曲、肘関節筋の屈曲、肩関節筋の外転、膝関節筋の屈曲、足関節筋の背屈)を対象とし、収縮および弛緩(収縮からの脱力動作)を行った研究からは、ヒトの動作制御に関わる大変興味深い知見が得られ、これらのデータ整理を中心に行った。さらに、これまでに行った弓道の動作を対象とした研究データを精査したところ、個人差に関する大変興味深い知見が得られた。特に、弓道を行う際の筋活動パターンと脳波で観測される運動準備電位の活動パターンに相関が認められた。動作の得手不得手や、個人差は、脳波上で計測される脳活動と深い関わりがあるのかもしれない。これらのことについて、今後より詳細に検討する必要があるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
covid-19による感染リスクのためにヒトを対象とした十分な実験を行うことができなかった。しかしながら、前年度に取得した実験データをより精査することができたため、それによる新たな知見を得ることができた。 当初は、今年度に経頭蓋直流電気法を用いて実験を行う予定であったが、上記理由のため、前年度に得られたデータをより細かく精査し、それに関わる実験を行うよう方針転換する必要があるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
今後、covid-19による感染リスクを極力低減させ、筋弛緩と個人差に関わる実験を行う予定である。筋収縮特よりも、筋弛緩時に、より顕著に筋活動パターンの個人差が認められたため、これらをより網羅的に検討する実験が必要である。さらに、当初の予定通り、経頭蓋直流電気刺激法を用いて、個人差に関わる脳部位の刺激により、運動パフォーマンスがどのように変化していくか、検討する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19による感染リスクのために、2020年度使用額が大幅に減少した。2021年度は、当初2020年度に行う予定であった実験および学会発表等を積極的に行っていく予定である。
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