研究課題/領域番号 |
18K17868
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
小野寺 英孝 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10449390)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スポーツ関連脳振盪 / 眼球運動の回復 / SCAT5との相関 |
研究実績の概要 |
Objectives: 本研究の目的は、スポーツ関連脳振盪(Sport-Related Concussion以下SRC)患者を対象に、眼球運動障害の改善とThe Sports ConcussionAssessment Tool 5のよるSRC症状について検討することである。Materials and Methods: 本研究はケースシリーズである。18歳以上でSRCの診断を受け、本研究の目的や実施内容の説明を行い、研究への参加の同意が得られた患者36名のうち、ドロップアウト、評価未完遂の患者をを除外した13名を解析対象とした。眼球運動障害の評価として、光学的眼球運動測定装置による、Smooth Pursuit eye Movement(SPM)を測定した。Rate of fundamental frequency(Rff)を算出し、Rffが15%以上に改善した者8名をGood Improvement group、Rffが15%未満であった者5名をMinor improvement groupとして2群に分類し、SCAT5の点数を比較し、残存するSRC 症状の差異について検討した。Results: Minor improvement groupはGood Improvement groupと比較してSTEP2のSymptom number(median 2.0 vs. 0.0 ; p=0.042)、Symptom severity(median 22.0 vs. 3.0 ; p=0.003)、STEP4のSingle leg(median 4.0vs. 0.5 ; p=0.006)、Tandem stance(median 1.0 vs. 0.0 ; p=0.035)、Total errors(median 5.0 vs. 0.5 ; =0.014)が有意に不良であり、STEP3のOrientation、Immediate memory、Concentration、 STEP4のDouble leg、STEP5のDelayed recallは有意差が無かった。Conclusions: SRC患者におけるSPMを用いた眼球運動障害の評価は、SRC症状の客観的指標としてSCAT5を補完するツールとなる可能性が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍での症例数の獲得に遅延が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
現時点での症例数で解析を行い、論文投稿を行なっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文作成とデータ管理に時間がかかったため。次年度は論文投稿と英文翻訳に使用する予定である。
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