研究成果の概要 |
研究期間中コロナ禍によりスポーツ活動が困難となり,脳振盪発生が減少し, シーズン前後のデータ収集が不可能となったため, 研究期間を延長した.最終的に眼球運動測定は36名におこなった. 本研究での眼球運動測定で健常者よりも特異的な変化が観察でき, 脳振盪症状の回復過程において測定値が改善し, 客観的で定量的な評価が可能となった.これらをもとに解析を加え, SCTA5回復状況と眼球運動の回復がSCAT5内のどの種類の評価項目と相関するかの知見を得た. 最終的には, 眼球運動の障害は, 精神心理的障害よりも身体バランス障害との相関が強いことが明らかとなった. 最終的に英文として誌上発表に至った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スポーツ脳振盪は,明確な症状のない多彩な症状であるために見逃され, 科学的根拠のない感情的な励ましのみで競技復帰を余儀なくされてきた. 脳振盪は画像所見等の客観的所見もなく, 回復も目に見えるものではない. 本研究は, 脳振盪患者の眼球運動を詳細に解析し脳への障害程度が明らかとなり, さらに, 脳振盪が回復する経過を眼球運動計測することで把握することができ, スポーツの安全性向上が可能となった.
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