研究課題/領域番号 |
18K17875
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
奥島 大 大阪国際大学, 人間科学部, 講師 (70735307)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脱酸素化応答 / 上肢自転車運動 / 下肢自転車運動 |
研究実績の概要 |
活動筋の酸素消費に対して供給が不足することは持久性運動能力を制限する要因の一つと考えられている。申請者らは、過去の研究において漸増負荷自転車運動中の活動筋の脱酸素化応答(血流量に対する酸素消費)は、運動トレーニング後もその応答曲線の形状を変化させないことを明らかにした。この結果から、活動筋の酸素消費に対して供給が不足し始める局面を筋酸素化動態の応答曲線の特性から推察できるのではないかと考え、活動筋への血流量を複数の方法で変化させ、漸増負荷運動時の活動筋における脱酸素化応答の応答曲線の特性と酸素供給不足との関連性を明らかにすることを目的としている。 今年度も前年度に引き続きコロナウイルス感染症の影響にともない、研究計画を円滑に進めることが困難になった。特に、対象予定者が感染者や濃厚接触者などに該当する状況が生じたため、予備的な実験を進めるに留まった。実験環境下における上肢・下肢自転車運動のうち、上肢運動中の筋酸素化動態の被検筋の選定を目的とした予備実験を実施した。被検筋の候補としては、上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋、および棘下筋が主要な候補であった。実験の結果、被検筋としては上腕二頭筋か上腕三頭筋で問題ないことを確認した。また、上肢の筋における筋酸素化動態の変化は、下肢の筋における筋酸素化動態の変化よりも低い相対的運動強度で定常状態に達している傾向が観察された。そのため、下肢運動に加える上肢運動の強度としては、筋酸素化動態が定常状態に達している相対的運動強度を選択することで、下肢の血流に影響を及ぼしやすくなる可能性が推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度も引き続き新型コロナウイルス感染症に影響にともない、予定していた実験の遂行が困難になった、特に、実験対象者が感染者や濃厚接触者に該当する状況が生じてしまったため、計画を延期する必要に迫られた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は予定していた研究計画を遂行し、各実験結果から活動筋の酸素不足がどの様な形で表されるのかについて検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響にともない、実験を円滑に実施できなかったため、実験に必要な各種機材、消耗品の購入費用、および実験謝礼費用を繰り越す必要が生じた。次年度は、実験に必要な機材、消耗品、および実験謝礼を中心に使用していく予定である。
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