研究課題/領域番号 |
18K17882
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
下山 寛之 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, その他 (80760652)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 二重標識水 / DLW / 総エネルギー消費量 / 身体活動 / 身体組成 |
研究実績の概要 |
これまでの研究の多くは, 身体を使って活動すればするほど総エネルギー消費量が増えることを示していた. しかしながら, 一部の研究には身体活動がより多い集団ではその身体活動に見合った総エネルギー消費の増加が見られていない. これらを裏付ける証明が近年, ヒトや猿人類を対象に一定の身体活動を超えると総エネルギー消費量の増加に制限がかかるモデルとして発表された. 平成30年度では,アスリートの多大な身体活動に伴う総エネルギー消費量の関連モデルを明らかにするために,まずは,正確な総エネルギー消費量を測定する上で重要な二重標識水法を使って得られた論文をレビューし,総説としてまとめた(体力科学. 2018).結果として,特に自転車・トライアスロン,水中競技などが多くのエネルギーを必要とする可能性が垣間見えた.そこで,これまでに二重標識水法を用いて得られた総エネルギー消費量のデータを用いて,トップクラスのオープンウォーター水泳選手(Appl Physiol Nutr Metab. 2019)と大学セーリング選手(Int J Sport Nutri Exerc Metab. 2018)の水に関わる競技の研究データをそれぞれ発表した.実際にこれらの研究ではそれぞれ平均で4549 ± 1185 kcal/日と4133 ± 1009 kcal/日と多くのエネルギー消費をしていた.オープンウォーターの水泳のトップ選手の中には測定期間中6000kcal/日を上回る選手も存在した.加えて,トライアスロン選手を中心に,海外の研究論文と同じ加速度センサー付活動量計のActiGraphおよび24時間心拍数計を組み合わせた,身体活動・運動の計測を詳細に行い解析中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していた実験を行い、対象者人数よりも多いサンプルが取得できたため予算の追加申請も行った。さらには3つの関連する研究内容が学術誌に掲載されることとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、身体活動による「動作」を総エネルギー消費量と独立させて考えるために、特異的な加速度計の解析を行いつつ、さらに総エネルギー消費量の多い可能性のあるアスリートサンプルを取得していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
期待以上に研究が発展したため、追加申請を実施した。 その追加申請分の一部が、次年度使用額として生じた。
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