研究課題/領域番号 |
18K17886
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
田辺 弘子 青山学院大学, 理工学部, 助教 (60780666)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 運動制御 / ロコモーション / 美学 / ラバン理論 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である「身体運動の美醜判断に関与する運動制御・認知メカニズムの解明」にあたり、研究1では動作主体の運動制御メカニズムの解明、研究2では客体の認知的な美醜判定メカニズム、研究3では研究1と2を統合した人工的な美醜歩行運動生成モデルの構築を計画している。現段階では研究1が完了し、研究2の実験準備が完了している。 研究1において、プロのファッションモデルと一般の女性の歩行実験を実施した。トレッドミル上での歩行時のモーションキャプチャデータを取得し、全身(首・肩・肘・胸腰・腰仙・股関節・膝・足関節)の3次元での関節角度の時系列データを算出した。モデル群と一般群の比較および被験者の美歩行の意識の有無による比較を関節角度の時系列データに対して行ったところ、複数の関節の経時的推移に統計的差異が見られた。 こうした歩行の美醜に関与するキネマティックな変化にどのような意味があるのかを定量的に評価するため、ラバン特徴量を計算する数理モデルを構築した。ラバン特徴量は、身体運動をエフォート(運動の質)とシェイプ(身体形状の質)の観点から、それらを戦闘形態と陶酔形態に分類する。実験データからラバン特徴量を算出した結果、モデルの歩様およびモデル・一般人が自身の美しさを意識した歩様は、胸部および臀部の動きを強調するための戦闘形態をとり、その他の関節の多くは陶酔形態へとシフトすることが明らかになった。 また研究2の実験準備として、研究1で取得した被験者のモーションキャプチャデータから歩行アニメーションを作成し、美醜判断用のアンケート資料も作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、研究1を完了することができた。 研究2では心理実験に多くの被験者のリクルートを予定しているため時間がかかることが想定されるが、前段階としての実験準備も現段階で完了させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当初の予定どおり研究2の心理実験「客体による身体運動の美醜判断」を行う。研究2の心理実験は被験者1名あたりに要する時間が比較的長く(30秒の歩行アニメーションを68回)、心理実験では多くの被験者を要する(50名程度を予定)ことから実験完了までに時間がかかる可能性が高い。なるべく多くの被験者による評価実験を同時平行で行うことができるようにするため、アニメーションの呈示を複数のタブレットを用いて行う、あるいは大きなモニタを用意するなどの実験の実施方法を工夫する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
翌年度に予定している実験において、当初の予定よりも被験者を増やす必要性が生じ、また実験の効率化のためにタブレットの購入あるいは大型モニタの購入が必要となった。そのため、翌年度に予定していた解析用PCの購入および旅費に加え、被験者への実験映像呈示用のタブレットあるいはモニタを購入するための予算として当該助成金を使用する。
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