研究課題/領域番号 |
18K17886
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田辺 弘子 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任助教 (60780666)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 運動制御 / ロコモーション / 美学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である「身体運動の美醜判断に関与する運動制御・認知メカニズムの解明」にあたり、研究1では動作主体の運動制御メカニズムの解明、研究2で は客体の認知的な美醜判定メカニズム、研究3では研究1と2を統合した人工的な美醜歩行運動生成モデルの構築を計画している。現段階では研究2のデータ分析まで完了しており、国際会議への発表申込みも行なった。 研究2では、研究1で得られた歩行データからアニメーションを作成し、20代から60代までの男女60名(当初の予定人数より被験者数を増やすことができた)を対象として、その美醜評価実験を行なった。歩行者が自身の動きを魅力的に見せようとする意図は、概ね観察者に伝わっており、研究1において魅力の表現に関与すると示唆された動作パラメータの大半が、魅力評価に関連するという結果が得られた。また、女性の動きの魅力と女性らしさは必ずしも一致しないという結果も得られ、人間の身体運動の魅力の根源の理解を深めうる知見となった。得られた研究成果を研究会で発表し(招待講演)、来年度以降の産学連携プロジェクトにつなげることができた。また、様々な分野(認知心理学、工学、情報学、運動心理学)の研究者から研究成果に対する意見をもらい、今後の研究の発展性を探索した。 現在、研究2の結果をまとめて論文執筆を行なっている。また研究3の準備として、魅力的な歩様の生成方法の探索を行なっている(強化学習や敵対的学習の可能性を検討)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2のデータ分析まで終え、論文執筆段階まで進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究2の成果を論文化し、また国内外の学会での発表も行う(既に国際会議1件にabstract提出済み)。研究3に関しては、研究1および2の成果を元に魅力的な歩様を生成可能なモデルを探索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後休暇および育児休業の取得のため研究期間の中断・延長を行なったため、次年度使用額が発生した。
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