本研究は,野球を代表とする球技スポーツにおける優れた視覚運動制御機能の特性とその神経基盤を明らかにすることを目的とし、統制された実験室課題,実際のスポーツ環境でのパフォーマンス,その中間に位置する仮想現実空間(VR)での視覚課題の3段階において詳細な検討を進めている。 昨年度までに、実験室におけるアスリートの腕到達運動の修正応答を評価する実験、VRを活用することでスポーツ選手の視覚認知機能を評価する実験を行った。 当該年度は、コロナ禍の影響で、予定していた実際のスポーツ環境でのパフォーマンスを計測を実施することが出来なかった。次年度以降、プロスポーツの現場で試合環境のデータを得られるようになるため、試合におけるパフォーマンスと選手の視覚認知機能の特徴を引き続き調査していく。 また、これまでに野球現場で計測した各年代の投手の制球力に関する知見や、投球出力の程度に応じた筋活動の特徴に関する知見を論文にまとめて投稿した。
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