本研究は,野球を代表とする球技スポーツにおける優れた視覚運動制御機能の特性を明らかにすることを目的とし,統制された実験室課題,実際のスポーツ環境でのパフォーマンス,その中間に位置する仮想現実空間(VR)での視覚課題の3段階において検討した.結果として球技経験者は,automatic pilot と言われる超短潜時の運動修正応答に適応が生じている可能性を示す結果を得た.また野球競技者を対象としてVRを活用した視覚実験を行い,VRタスク内での球種識別能力が向上することが示されたが,この能力の向上が実際の打撃能力に向上するかを示すことはできなかった.
|