我々は、様々な場面で行動を決定し運動を実行する。もし期待した結果が得られなかった場合、脳は報酬予測誤差と感覚予測誤差を計算する。従来の研究では、報酬予測誤差は行動選択に、感覚予測誤差は運動実行に活用されるが、両者がどのように相互作用しているのかは明らかではなかった。本実験では、ターゲット探索課題中に視覚運動外乱を与えた。両者は独立に与えているため、感覚予測誤差によって探索行動を変化させる必然性はない。しかし、ターゲットにバイアスがある場合にのみ、運動が大きく変動し、感覚予測誤差が大きい方向に運動していることが明らかとなった。これらの研究から、両者がインタラクションしている可能性が示唆された。
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