研究課題/領域番号 |
18K17895
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
福本 寛之 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00779308)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 皮質脊髄路興奮性 / 経頭蓋磁気刺激法(TMS) / 二重課題 |
研究実績の概要 |
本研究全体を通して、異なる感覚モダリティでの認知課題よって皮質脊髄路の興奮性が変化するのかどうか、感覚モダリティの違いによって二重課題干渉の程度が異なるのかどうかを音刺激と視覚刺激による認知課題を用いて実験し、二重課題遂行時の随意運動発現をより詳細に明らかとするための実験計画を立てた。 本研究では、随意運動の発現に大きく関与している、一次運動野(primary motor cortex: M1)からの運動指令の伝導路である皮質脊髄路の興奮性を経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation: TMS)を用い、筋から誘発される運動誘発電位(motor-evoked potential: MEP)振幅を指標にすることで評価する。 2018年度は、運動課題と視覚刺激による認知課題からなる二重課題の遂行が皮質脊髄路の興奮性に与える影響について明らかにすることを目的とした。 参加者には、安静座位状態で1)10%MVCのターゲットラインにハンドグリップの力発揮を30秒間保持させる課題(単一運動課題条件)、2)1)の課題と同時に視覚刺激による認知課題を遂行する課題(二重課題条件)を行ってもらう。それぞれの課題において、左運動野(M1)をTMSで刺激し、右手第一背側骨間筋(FDI)、橈側手根屈筋(FCR)ならび橈側手根伸筋(ECR)からMEP記録する課題を課すこととした。 しかしながら、MEPを記録するためのPCの故障、刺激を提示するためのシステムの不具合が重なり実験が中断された。現在、実験を再開し、データ収集を行っている段階である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は、運動課題と視覚刺激による認知課題からなる二重課題の遂行が皮質脊髄路の興奮性に与える影響について明らかにすることを目的とした。 しかしながら、MEPを記録するためのPCの故障、刺激を提示するためのシステムの不具合が重なり実験が中断された。現在、実験を再開し、データ収集を行っている段階であるため、進捗状況としては当初の予定より遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
2018年度に予定していた実験を完遂することを優先する。 その後,2019年度の予定である,運動課題と聴覚刺激による認知課題からなる二重課題の遂行が皮質脊髄路の興奮性に与える影響について明らかにする。 実験は右利きの一般成人男性20名を対象に行う。参加者には、安静座位状態で1)10%MVCのターゲットラインにハンドグリップの力発揮を30秒間保持させる課題(単一運動課題条件)、2)1)の課題と同時に聴覚刺激による認知課題を遂行する課題(二重課題条件)を行ってもらう。TMSでの刺激部位、MEPの記録部位については2018年度計画と同様である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究の計画期間を通じて使用する“マルチトリガーシステム(MB-73L,MB-SW)”の購入を見合わせているため次年度使用額が生じた。“マルチトリガーシステム”は画像または音を発生させ、音声(発生させる音声刺激)の波形の種類,周期,振幅などを指定することにより、容易に音声の作成ができ、画像、音声の表示順序(刺激の発生パターン)を任意に指定することができる。本研究課題では二重課題を構成する認知課題を音刺激と視覚刺激とした課題を用いて二重課題遂行時の随意運動発現をより詳細に検討するため、マルチトリガーシステムが必要である。 このシステムのOSはWindowsであるが、最新版であるWindows10仕様の販売が近日中に開始される予定である。その販売開始に合わせて購入する予定である。
|