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2018 年度 実施状況報告書

着手位置を聴覚的に捉えられる多段階式の跳び箱を用いた新たな跳び箱運動指導法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K17898
研究機関岐阜大学

研究代表者

林 陵平  岐阜大学, 教育学部, 助教 (20805486)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード体育科教育 / 小学校体育 / 器械運動 / 跳び箱運動 / 開脚跳び / 運動苦手 / バイオメカニクス / キネマティクス
研究実績の概要

本研究では,着手位置を聴覚的に捉えることができる多段階式の跳び箱を用いた跳び箱運動における新たな指導法を開発することを目的としている。
平成30年度は,現在小学校で用いられている規格の跳び箱(長さ80cm)よりも長さが短い2種類の跳び箱(長さ30cmおよび50cm)および着手位置を聴覚的に捉えることができる着手位置誘導マットセンサーを開発した。開発した跳び箱およびマットセンサーを用い,通常の規格の跳び箱を開脚跳びによって跳ぶことができない小学生34名(男子:12名,女子:22名)を対象として,45分間1コマの開脚跳びの指導を主とした授業実践を行った。授業実践では,はじめに最も長さの短い30cmの跳び箱を使用した。その後,50cm,60cm,80cmと徐々に跳び箱の長さを変化させていき,状況に応じてマットセンサーを使用することにより着手位置を着地位置側にコントロールするといった手順で指導を行った。その結果,男女ともに約86%の児童が通常の規格である80cmの跳び箱を開脚跳びによって跳ぶことが可能になった。このことから,通常の規格の80cmの跳び箱を開脚跳びによって跳ぶことができない児童は,跳び箱の長さが跳べない要因の一つになっている可能性のあることが示された。加えて,マットセンサーによって聴覚的な情報を子どもに与えることにより,着手位置を着地位置側にコントロールすることが可能になることも示された。
本研究で開発した通常の規格よりも長さが短い跳び箱および着手位置を誘導するためのマットセンサーは,通常規格の跳び箱を開脚跳びによって跳ぶことができない児童に対して有用な教具になる可能性のあることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度には,当初の計画通り,通常の規格と長さの異なる2種類の跳び箱およびマットセンサーを開発した。また,現在小学校で用いられている80cmの長さの跳び箱を開脚跳びによって跳ぶことができない小学生3年生の児童34名を対象に,本研究で開発した跳び箱およびマットセンサーを用いて開脚跳びの運動指導を実施し,運動指導前後におけるキネマティクスデータを収集することができた。

今後の研究の推進方策

平成31年度(令和元年)は,本研究で開発した2種類の跳び箱およびマットセンサーを用いて運動指導した際に収集したキネマティクスのデータを用いて動作分析を行う。
具体的には,80cmの長さの跳び箱を開脚跳びによって跳ぶことができなかった試技(運動指導前)と跳ぶことができた試技(運動指導後)を対象にして,助走局面,踏切局面,第一空中局面,着手局面を対象としてキネマティクスデータの比較を行う。そして,この比較から得られた結果を踏まえ,開発した跳び箱およびマットセンサーを使用することが,80cmの長さの跳び箱を跳べるようになったことに対して,どのような影響を与えたのかについて詳細に検討する。
また,実施した運動指導の結果と得られたキネマティクスデータを総合的に判断し,本研究で開発した跳び箱とマットセンサーを用いた新たな開脚跳びの指導法を構築する。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度に予定していた学会に参加しなかったために,次年度使用額が生じた。次年度使用額については,国内および国際学会参加のための費用に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 小学校体育授業における運動強度の種目特性 -単元で取り上げる種目間の違いに着目して-2019

    • 著者名/発表者名
      大坪健太,春日晃章,小栗和雄,鈴木康介,林 陵平,関谷竜成
    • 雑誌名

      発育発達研究

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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