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2018 年度 実施状況報告書

自閉症スペクトラム障害児における「運動-社会性連関」の成立メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K17899
研究機関茨城キリスト教大学

研究代表者

平田 正吾  茨城キリスト教大学, 文学部, 講師 (10721772)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード自閉症スペクトラム障害 / 運動スキル障害 / 実行機能 / 内部モデル
研究実績の概要

本年度は、自閉症スペクトラム障害(ASD)児に対する運動機能や社会性障害の評価を主に行う予定であったが、所属研究機関における研究倫理審査の承認の遅れなどから当初予定していた測定を行うことができなかったため、過去の測定で得られた関連するデータの解析と先行研究のレヴューに主眼を置いた。
ASD児が特異的に問題を示す可能性が近年指摘されている系列再生能力に関して、ASD児が呈示された記憶材料のどのような側面に着目した記銘方略を利用しているのか二重課題法による測定を行い検討した。その結果、ASD児においては社会性障害の重症度の高い者ほど、記憶材料の音韻的差異や形態的差異に注目した複数の記銘方略を同時に使用している可能性が示唆された。今後は、こうした系列再生能力の特徴が、ASD児における運動遂行や社会的認知の特徴とどのような関係にあるのか検討していく。
また、ASD児の姿勢制御に関して、隣に起立する人に対するlight touch効果(LT効果)が生じるのかについても検討した。LT効果とは、立位姿勢の際に固定物や人に軽く触れることで立位姿勢の安定性が向上する現象であるが、立位姿勢の問題が指摘されることの多いASD児において人に対するLT効果が生じるのか平衡機能計を用いて検討した。その結果、ASD児においては人に対するLT効果が明確には生じないことが明らかとなった。今後はこうしたASD児における姿勢制御の特徴と、社会性障害の関係について検討していく。
更に本年度においては、ASD児における運動と社会性の関係についての先行研究のレヴューを行い、関連する学術誌への投稿や学会での発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究倫理審査の承認手続きなどに予定よりも時間を要したため、研究の進捗に遅れが生じている。次年度からは予定通り測定を開始できる見込みであり、この遅れは解消されるものと思われる。

今後の研究の推進方策

ASD児の運動機能と社会性障害の評価を行った後に、両者を媒介する要因について交付申請書に記載の通り測定と分析を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

研究倫理審査承認の遅れなどにより研究開始に遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。次年度から開始される測定で使用する機材の購入などによって、これらの経費は使い切られる見通しである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 知的障害児と自閉スペクトラム症児における運動機能についての研究動向2018

    • 著者名/発表者名
      平田正吾
    • 雑誌名

      特殊教育学研究

      巻: 56 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム障害児における記銘方略の特徴 ~系列再生に対する記憶材料の影響~2019

    • 著者名/発表者名
      三橋翔太, 平田正吾, 奥住秀之
    • 学会等名
      日本発達心理学会第30回大会
  • [学会発表] 発達性協調運動障害について2019

    • 著者名/発表者名
      平田正吾
    • 学会等名
      日本発達系作業療法学会第7回学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム障害児の姿勢制御におけるLT効果の特性解明2018

    • 著者名/発表者名
      平田正吾, 粟田晏代, 奥住秀之, 国分充
    • 学会等名
      第2回日本DCD学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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