研究課題/領域番号 |
18K17907
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岡野 真裕 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (90809956)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 対人間協調 / 注意焦点 / 同期現象 / 疲労 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たず、今年度は「映像を見ながら運動する場合と単独で運動する場合の比較」のような、対面で2人組にならなくても実行可能な実験計画を中心とするよう、研究計画を考え直すこととした。「運動を行う人を取り巻く環境の特性への理解を深めることは、運動の効用を高める上で重要であり、運動を行う人本人のみならず、運動処方などを提供する立場の人や組織にとっても有用であると考えられる。 実験の実施が困難であったため、今年度は関連する先行研究の調査が主な活動となった。特に、「注意焦点」と運動パフォーマンスの関係についての研究との接点を探った。この領域の研究では、注意焦点を身体外部の環境に向ける(外的注意)か、それとも身体内部の状態に向ける(内的注意)かで、運動パフォーマンスがどのように変化するかが検討されており、外的注意を採用したときにパフォーマンスが向上しやすいことが明らかにされてきている。対人間協調は、パートナーの挙動に一定の注意が払われているときに生じると考えられるので、外的注意の範疇に一見思われる。しかし、動きを意図的に同期させようとする場合には、自身の動作にも同時に注意を向けなくてはならないため、内的注意やデュアルタスクの要素も含まれてくることがわかる。このことから、対人間協調と運動パフォーマンスの影響について検討する場合には、「協調が意図的か、そうでないか」という対立軸についても検討する価値があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
所属機関の異動により授業準備等の負担が増え、使用可能な実験室や実験装置にも制限が増えた。また、新型コロナウイルス感染症の流行が長引き、ほとんどの授業が遠隔となったため学生に実験参加を依頼するのも困難で、実験の実施ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
対面授業再開により学生が学内に戻ってきているので、新型コロナウイルス感染症が再度まん延しないうちに、感染予防対策に注意しながら実験を実施していく。査読にかかる時間を考えると補助期間中に論文の受理に至ることは困難な可能性があることや、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の再発令も想定せざるを得ないと考えられるので、執筆よりも実験の実施を優先する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加などに伴う旅費が不要になったことや、投稿していた論文が受理に至らず掲載費用が生じなかったこと、また実験が実施できなかったため謝金の支払いがなく、未使用額が生じた。未使用額は主に実験参加者への謝金の他、論文の英文校正費用およびオープンアクセス費用として用いる。
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