脳卒中患者を対象にヒラメ筋と前脛骨筋の短潜時反射、中潜時反射について異なる刺激強度間で比較した結果、短潜時反射は60%刺激強度で大きい値を示した。 次にノイズ刺激による介入効果を検証した結果、短潜時反射は、介入後に有意な増大を認めた。介入後の評価時のノイズ刺激有無による振幅に差はなかった。クロステスト時の重心移動距離は介入による効果を認めなかったが、ノイズ刺激により重心移動距離は大きい値を示した。 以上から、ノイズ刺激により前庭脊髄路の興奮性が増大すること、治療介入により興奮性増大は維持されることが示された。一方、治療効果は短期間で消失すること、動的バランスに対する効果は小さいことが示唆された。
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