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2020 年度 実績報告書

抗老化戦略を見据えた新規NAD合成経路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K17921
研究機関富山大学

研究代表者

夜久 圭介  富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70761865)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードNAD / 代謝
研究実績の概要

Nicotinamide Adenine Dinucleotide (NAD)は生体内の酸化還元反応に関わる補酵素であり、エネルギー代謝を中心とした多くの反応に関わっている。また、加齢に伴う体内NAD量の減少は、老化の進行に関わっていると考えられている。一方でNADの前駆体を用いたNAD補充療法が肥満や糖尿病に対する予防・治療効果を持つと期待されており、ヒトを対象とした臨床試験が進められている。しかしながら、NAD代謝の全体像は未だに明らかにされていない。本研究課題ではNAD代謝の新規経路として、NAD代謝中間体の脱アミド化機構を同定し、その役割を解析することを目的としている。前年度までに新規反応経路とその反応を担う酵素のノックアウトマウスの解析を行った。そこで、今年度は脱アミド型のNAD前駆体の代謝について詳細に検討することを目的とした。
体内における脱アミド型のNAD前駆体の利用経路を解析するため、代表的な前駆体であるニコチン酸を用いて解析を行った。ニコチン酸を野生型マウスに投与したところ、肝臓におけるNAD量は有意に増加した。興味深いことに、ニコチン酸からのNAD合成の最終反応を担う酵素のノックアウトマウスにおいても同様に肝臓中のNAD量はニコチン酸投与によって有意に増加した。この機構を明らかにするため、安定同位体を用いたトレース実験を行ったところ、これまでに同定した脱アミド化機構の逆反応が関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Simultaneous Measurement of Amino Acid Enantiomers in Aged Mouse Brain Samples by LC/MS/MS Combined with Derivatization Using Nα-(5-Fluoro-2,4-dinitrophenyl)-l-leucinamide (l-FDLA)2021

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Taiji、Yaku Keisuke、Nakagawa Takashi
    • 雑誌名

      Metabolites

      巻: 11 ページ: 57

    • DOI

      10.3390/metabo11010057

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] NAD+ Metabolism Regulates Preadipocyte Differentiation by Enhancing α-Ketoglutarate-Mediated Histone H3K9 Demethylation at the PPARγ Promoter2020

    • 著者名/発表者名
      Okabe Keisuke、Nawaz Allah、Nishida Yasuhiro、Yaku Keisuke、Usui Isao、Tobe Kazuyuki、Nakagawa Takashi
    • 雑誌名

      Frontiers in Cell and Developmental Biology

      巻: 8 ページ: 586179

    • DOI

      10.3389/fcell.2020.586179

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Deletion of the GAPDH gene contributes to genome stability in Saccharomyces cerevisiae2020

    • 著者名/発表者名
      Hanasaki Miki、Yaku Keisuke、Yamauchi Motohiro、Nakagawa Takashi、Masumoto Hiroshi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ページ: 21146

    • DOI

      10.1038/s41598-020-78302-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 腸管恒常性維持におけるNAD代謝の役割2021

    • 著者名/発表者名
      夜久 圭介、中川 崇
    • 学会等名
      第94回日本薬理学会年会

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公開日: 2021-12-27  

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