本研究を本格的に開始する前段階として、数名の正期産児・早産児の臍帯血や、正常成人の血液検体を用いて、マルチプレックスアッセイを繰り返し行い、アッセイの正確性・再現性を確かめた。 早産児約60例と、(対照群となる)正期産児約60例から同意を得て、臍帯血や生後4-7日、生後2週間、修正満期の頃の児血の検体を収集した。また、先天性消化管閉鎖の児6例からも臍帯血や児血の検体を収集した。当該年度に出生した早産児は、例年よりもSmall for gestational age (SGA)児が多く、ほぼ同数の早産SGA児と早産AGA(Appropriate for gestational age)児から検体が収集できている。 マルチプレックスアッセイキットを用いて、まずは臍帯血中のインクレチン濃度や他の消化管ホルモン濃度の測定を開始している。現時点で、早産SGA児・早産AGA児・正期産SGA児・正期産AGA児それぞれ約15例の解析を終え、現在結果を検討中である。 先天性消化管閉鎖症例の臍帯血中インクレチン濃度や他の消化管ホルモン濃度も解析を進めている。
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