今回の我々の研究により、①胎児期のインクレチン分泌は、消化管への物質の通過ではなく、他の機序によって刺激されていること、②胎児において、インクレチンはインスリン分泌や血糖調節以外の何らかの役割を担っていると考えられること、が示唆された。これらの知見は過去に報告がない。 また、今回の成果は、胎児期のインクレチンの分泌・機能に迫るためのさらなる研究への足掛かりとなりうる。今回の成果を元に、胎児期のインクレチンの分泌機序や機能に迫る動物実験や、将来のメタボリックシンドローム発症との関連を探る研究が進んでいる。今後メタボリックシンドロームの新たな治療標的や創薬に繋げていくことを目指している。
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