研究課題
若手研究
高齢者のヘルスリテラシーとフレイルの関連性を前向きコホート研究により検証した結果、包括的ヘルスリテラシーが高い高齢者では、2年後にフレイルを有する危険性が低いことが明らかになった。また、ヘルスリテラシーの低い高齢者に対するアクティブラーニング型健康教育の効果をランダム化比較試験により検証したところ、介入後に伝達的ヘルスリテラシーやライフスタイル・身体機能が改善していた。介入終了から18ヵ月後の時点におけるフレイル・プレフレイルの割合は、対照群に比較して介入群で少なかった。
応用健康科学
本研究の結果より、包括的ヘルスリテラシーが高齢者のフレイルの保護因子であることが示唆された。また、ヘルスリテラシー向上のためのアクティブラーニング介入の行動変容・機能改善効果が示された。ヘルスリテラシー向上によるフレイル予防は、機能回復訓練を中心とした従来の介入とは異なり、事業後も持続的に健康行動を学び、自らライフスタイルを改善させることを目指した新しい視点であり、健康教育を通じた高齢者の介護予防の新たな可能性を示唆する点で意義が大きい。