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2020 年度 実績報告書

栄養素による小腸吸収上皮細胞のエピゲノム制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 18K17927
研究機関静岡県立大学

研究代表者

本間 一江  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員共同研究員 (80724765)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード酪酸 / ヒストンアセチル化 / HDAC / 小腸オルガノイド
研究実績の概要

これまでの研究では、ラット小腸およびヒト結腸由来細胞株Caco-2を用いて、酪酸によるスクラーゼ・イソマルターゼ(SI)の発現誘導には、その遺伝子周辺のヒストンアセチル化の増大が関与していることを明らかにしてきた。一方、HDAC阻害作用を持つ酪酸は、様々な幹細胞の増殖を抑制し分化を促進することが知られている。本研究では、小腸オルガノイドを用いて、腸幹細胞から吸収上皮細胞への分化過程におけるヒストンアセチル化を介した遺伝子発現制御を明らかにすることを目的とした。
C57BL/6マウスの小腸より腸幹細胞を含むクリプトをマトリゲル内で培養し、幹細胞スフェロイドを樹立した。スフェロイド継代3日後に分化培地に切り替え、酪酸やTSAといったHDAC阻害剤およびHAT阻害剤を用いて、分化開始後12時間および24時間後の遺伝子発現レベルとヒストンのアセチル化レベルに及ぼす影響を検討した。
酪酸およびTSAを含む培地で分化させた小腸オルガノイドでは、Si、MgamおよびVil1や吸収細胞特異的な転写因子のmRNA発現量が有意に高かった。オルガノイドの分化開始48時間後まで、通常の分化培地で培養した細胞ではヒストンH3K9のアセチル化はほとんど変わらなかったのに対し、TSAや酪酸添加培地で培養した細胞ではヒストンH3K9のアセチル化が高まっていることが確認された。これらの結果から、酪酸はHDACを阻害することでヒストンのアセチル化を高め、吸収細胞への分化を促進することが明らかになった。また、HAT阻害剤を用いた検討から、小腸オルガノイドの吸収細胞への分化においては、HATの中でもCBP/p300よりもGCN5によるヒストンアセチル化が重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Regulation of hepatic genes related to lipid metabolism and antioxidant enzymes by sodium butyrate supplementation2020

    • 著者名/発表者名
      Honma K, Oshima K, Takami S, Goda T
    • 雑誌名

      Metabolism Open

      巻: 7 ページ: 100043

    • DOI

      10.1016/j.metop.2020.100043

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マウス小腸オルガノイドにおけるヒストンアセチル化を介した遺伝子発現制御2020

    • 著者名/発表者名
      田中晴日、本間一江、石塚典子、林久由、合田敏尚
    • 学会等名
      第74回日本栄養・食糧学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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