先行研究よりスクラーゼ・イソマルターゼ(SI)の発現増大には、その遺伝子周辺のヒストンのアセチル化の増大が関与していることを示してきたが、本研究では、HDAC阻害作用のある酪酸がHDAC1の結合量を低下させることでSIの発現増大を促進することを明らかにした。また、小腸オルガノイドの分化成長中の遺伝子発現変化に及ぼすヒストンアセチル化の影響を、酪酸およびHAT阻害剤を用いて検討した結果、酪酸は小腸オルガノイドの分化成長中にもH3K9のアセチル化とSIの発現を増大させること、小腸幹細胞の吸収細胞への分化にはGCN5によるヒストンアセチル化が重要であることが示唆された。
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