本研究では、乳児を母乳群と乳児用調整乳群に分け生後7日~11ヵ月までの期間で採取した糞便のHD5濃度の測定および腸内細菌叢の構成を比較した。母乳と乳児用調整乳による乳児期の栄養方法の違いや離乳食の導入によってαディフェンシンの分泌に有意な差は見られなかったが、腸内細菌叢の多様性や占有率に影響を及ぼすことを明らかにした。また、母乳栄養では生後9~11ヵ月の離乳完了に向けた時期でαディフェンシン分泌量が増加した。これらの結果は乳幼児期の栄養摂取方法の違いが離乳後のα-ディフェンシン分泌に影響を与え、腸内細菌叢の発達に寄与する可能性を示した。
|