24例の心理データ収集とMRI脳画像撮像収集を行った。平均年齢38.2±10.3歳(男性14例37.5±11.0歳、女性10例39.1±9.7歳)。休職回数は1.0±0.8回。適応の程度をWork and Social Adjustment Scale (WSAS)、気分・感情状態はProfile of Mood States Second Edition (POMS2)を使用し、各々評価した。深層感情に関しては、妥当性と信頼性の高い自己質問用紙を利用して、スコアー化した。エントリー時より6カ月後では、慢性疲労、仕事への適応度、「混乱・当惑」の表層状態は治療効果もあり仮説通り有意に改善した。しかし、深層感情では有意に改善したものは「仕事中毒」の項目のみであった。 エントリー時は、「緊張・不安」因子が重要な因子であり、「職場」、「私的な余暇活動」、「他者との関係」の3区分の適応と有意な関連を認めた。更に、「他者との関係」への適応はより多くの因子と関わっているようであり、「疲労・無気力」、「友好」との有意な関連を認めた。 その一方6カ月後では、「抑うつ・落込み」因子が重要な因子となり、「職場」、「家庭」、「社会的余暇」、「私的余暇」の4区分の適応と有意な関連があった。更に「社会的余暇」への適応は「友好」との有意な関連を認めた。 画像解析に関しては、24例の脳MRI画像データの前処理を終えた。6か月後のMRI画像からエントリー時の脳画像の差分のデルタ画像を作成し、心理データの変化に応じて統計学的に有意な脳局所部位の同定のための統計解析を行っている。最終的には目標の30例が揃った時点で、再度同様の脳画像の統計解析を行う予定である。
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