消化管に発現しているFFAR4 (GPR120) は食物由来の脂肪酸センサー分子である。本研究は、GPR120と脳内神経炎症との関係を明らかにするため、GPR120ノックアウト(KO) マウスを用いて解析を行った。。今回、GPR120KOマウス海馬において神経炎症(PGD2産生増加、ミクログリア活性化)、神経変性 (海馬体積の減少) が見られた。GPR120KO海馬のPGD2産生を阻害することにより、神経炎症が抑制され、海馬体積の減少が抑制された。これらの結果は、食事中の脂肪酸が腸管GPR120受容体によって感知され、脳内の神経炎症の抑制を介して海馬のホメオスタシスに寄与していると考えられる。
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