研究実績の概要 |
加齢に伴う筋量の減少(サルコペニア)の原因は未だ不明である。食後の筋血流量の増加は加齢に伴い鈍化することが知られており、これと筋タンパク合成量が相関する。しかしながら、全身・部位別筋肉量との関連やサルコペニアとの関連については不明な点が多い。また、多くの研究はBMIが25kg/m2を超える欧米人を対象に行われており、標準体型をもつ日本人において同様か否かも不明である。 本研究は、日本人高齢者における骨格筋量と血流量の関係を明らかにすることを目的とする。 2年目の実績として、若年者と高齢者の比較を行うために、それぞれの対象者の測定を行った。筋肉量は生体電気インピーダンス法(Inbody, インボディ社)を用いた。 血流量の測定はドップラー超音波エコーを用いて、大腿動脈を測定した。食後の血流量増加を評価するため、食事負荷試験を実施した。対象者は前日に規定食による夕食を摂り、夜9時~翌朝8時までは水以外を摂取しないようにした。試験当日に体重や骨格筋量、血圧など基礎的データを測定し、30分間の座位安静をとり筋血流量を測定する。その後朝食(450kcal、P:F:C=1:1:3)を摂取し、30分毎に筋血流量を測定した。なお、初年度と同様に倫理委員会の審議によって予定採血量を採取することが認められず、採血は実施していない。 2年目の測定人数は予定よりも大幅に減ってしまった。次年度はボランティア以外の方法によっても被験者を募る予定である。
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