これまでに我々は、高脂肪食付加により2型糖尿病を誘導した中年期APPKI(DIO-APPKI)マウスは2型糖尿病による代謝異常に対して抵抗性を示すが、認知機能は、同齢の普通食APPKIマウスや2型糖尿病マウスに比べ悪化傾向にあることを明らかにした。海馬の神経細胞新生は海馬依存的な認知機能に関連することが知られているが、APPKIマウスの海馬神経細胞新生は、認知機能が正常な若齢期ですでに顕著な低下が見られるが、2型糖尿病によりさらに有意な減少が誘導されることを明らかにした。さらにこの時、中年期DIO-APPKIマウス海馬の糖代謝調節シグナルは、認知機能障害を示す2型糖尿病モデルマウスよりさらに変化が促進されていることを見出した。
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