研究課題/領域番号 |
18K17960
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
田口 千恵 お茶の水女子大学, お茶大アカデミック・プロダクション, 寄附研究部門講師 (60444121)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ポリフェノール |
研究実績の概要 |
「日本人におけるポリフェノール摂取量の簡便かつ妥当な推定方法の確立」の研究課題において、「ポリフェノール摂取量のバイオマーカーとなりうる尿中ポリフェノール排泄量の測定」と、「ポリフェノール摂取量推定のための簡易調査票の作成」の2点に着目した研究を進めている。 初年度の2018年度には、まず、尿中の総ポリフェノール排泄量の測定方法の確立に取り組んだ。試験協力者から採取した2種類の尿サンプル(早朝尿、24時間蓄尿)に、尿酸などポリフェノール以外の還元性物質の影響を取り除くためにカラムカートリッジを用いて前処理を行った後、Folin-Ciocalteu法にて総ポリフェノール濃度を測定した。そして、総ポリフェノール摂取量との間の関連性を検討した。その結果、総ポリフェノール摂取量と早朝尿中のポリフェノール排泄量との間に関連はみられなかったものの、総ポリフェノール摂取量と24時間蓄尿中のポリフェノール排泄量との間には有意な関連性が認められ、24時間蓄尿中のポリフェノール排泄量はポリフェノール摂取量のバイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。その成果は、第23回日本フードファクター学会学術集会/第12回日本ポリフェノール学会学術集会/第15回日本カテキン学会年次学術集会合同学術集会で発表した。 また、ポリフェノール摂取量推定のための簡易調査票の作成においては、これまでに集積してきた日本人のポリフェノール摂取状況を調査したデータから、ポリフェノール摂取源として重要な食材やその使用量を集計し、調査票の作成を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「ポリフェノール摂取量のバイオマーカーとなりうる尿中ポリフェノール排泄量の測定」では、尿中ポリフェノール排泄量の測定方法を確立し、24時間蓄尿中のポリフェノール排泄量はポリフェノール摂取量のバイオマーカーとして有用である可能性を見出すところまで進めることができた。 「ポリフェノール摂取量推定のための簡易調査票の作成」では、当初の目標であった簡易調査票の作成を行うところまで進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
「ポリフェノール摂取量のバイオマーカーとなりうる尿中ポリフェノール排泄量の測定」において、初年度で24時間蓄尿中のポリフェノール排泄量が有用な可能性を見出したが、もっと詳細な検討が必要である。今後、対象者を広げてより精度の高いデータを集めていく予定である。 「ポリフェノール摂取量推定のための簡易調査票の作成」においては、初年度に簡易調査票の作成を行ったが、その妥当性の検証を行うには至っていない。今後、簡易調査票から推定したポリフェノール摂取量と、食事記録から推定したポリフェノール摂取量との間の相関関係や、評価法による値の差について検討することで、簡易調査票の妥当性を評価する予定である。
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