研究課題/領域番号 |
18K17963
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松倉 崇 京都大学, 医学研究科, 助教 (70649045)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | メタボリック・シンドローム / SGA / インスリン抵抗性 |
研究実績の概要 |
Small for gestational age(SGA)児は低身長症や、糖尿病、高血圧、脂質異常症などのいわゆるメタボリック・シンドロームのリスクが高く、生涯にわたる内分泌学的な問題を有する頻度が高い。私たちは、これまでにSGA児の内分泌学的問題や学童期における血圧高値などを報告してきたが、SGA児はheterogeneousな集団であるため、症例による差が大きいことを経験している。これらの病態の多くが胎生期にプログラムされると考えられているが、出生時の情報から将来のインスリン抵抗性や発育障害、メタボリック・シンドロームなどを予見する方法はない。本研究において、私たちは胎児期および出生後のインスリン抵抗性と発育予後や内分泌/代謝異常との関連を検討することにより、SGA児における発育障害やメタボリック・シンドロームのリスク因子を解明し、早期発見・治療介入による成長予後改善やメタボリック・シンドロームの発症予防を目指している。 京都大学医学部附属病院NICUに入院する新生児を対象として、入院時に両親に研究の説明を行い、文書で同意が得られた児においてデータを収集している。胎生期のインスリン抵抗性指標として[臍帯血C-peptide値]/[臍帯血IGF-1値]、出生後のインスリン抵抗性指標としてHOMA-Rを使用し、出生時のデータ[出生状況、身体計測情報、臍帯静脈血を用いた血糖、C-peptide、IGF-1測定]、NICU入院中のデータ[身体計測情報、各種血液検査データ]、退院後の外来受診時のデータ[身体計測情報、血液検査データ(空腹時の血糖、血中インスリン濃度、HOMA-R)]を収集し、出生時データと生後18ヶ月まで発育状況やインスリン抵抗性の関連を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
入院症例を対象としてデータ収集を行っているが、平成30年度は例年に比べて病棟への重症例の入院が非常に多かった。そのため、新規患者受入のために、入院途中で他院へ転院させることになった症例が例年に比べて多く、想定に比べて予定通り継続してデータ収集ができている症例が少なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は想定より対象症例が少なくなったが、検討に必要な症例数は確保できると考えており、継続して対象症例のデータ収集を継続する。また、可能であれば他院に転院した症例でも必要なデータの収集を依頼したり、他院転院後に当院外来に通院していただくようにして対象症例が少しでも多くなるように努める。 平成31年度は生後18ヶ月に達する症例があるため、年度末にはそれまでに収集できたデータを用いて中間評価を行い、研究の妥当性を評価する予定である。
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