2025年には、日本の高齢者の5人に1人(約700万人)が認知症を発症すると見込まれる。認知症の約60%がアルツハイマー型である。アルツハイマー病は脳にアミロイドβやタウタンパク質が蓄積し神経細胞が死ぬことで発症すると考えられているが、近年アルツハイマー病による認知機能低下にはmTORシグナルの過剰な活性化の関与が指摘されている。私の研究グループは培養細胞を用いたin vitro研究で、テオブロミンがmTORシグナルを抑制することを報告した。このことから、テオブロミンを含む食品の摂取は、アルツハイマー病などの認知機能低下を予防・治療することが期待できる。
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