研究課題
アデニン誘導慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)マウス(隔日アデニンを経口100 mg/kg BW x 10回投与)を作成し、腎機能低下に加え、体重の減少と摂食量低下が見られることを確認しCKDのモデルとして確立した。このモデルでは、血中FGF23の高値、副甲状腺ホルモンPTH過剰、活性型ビタミンD低下、さらに高リン血症が引き起こされており、CKD患者でよくみられる骨ミネラル代謝異常が観察された。CKDにともなう骨ミネラル代謝異常はCKD-MBDと定義され、しばしば血管石灰化障害が引き起こされる。CKD重症化を予防するためにも血中FGF23、PTH、活性型ビタミンD、リンを正常化することが生命予後に重要であると考えられる。このCKDモデルマウス作成と同時に、にβ-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB)/Arg/Lys(500/1250/375 mg/kg BW/day 経口投与)、線維芽細胞増殖因子FGF19(0.1 mg/kg BW/day 皮下投与)、またはビタミンD強化食(20 IU/g Diet)を併用し、血液、尿、骨格筋組織などのサンプリングを行った。本年度は、腎機能の指標である血中クレアチニン濃度、尿素窒素濃度やタンパク尿の程度を評価した。また、microCT(Latheta from aloka)を用いて、筋量、骨量、脂肪量を測定し、総合的に全身状態を評価した。
2: おおむね順調に進展している
事前実験を行なっていたため、アデニン誘導慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)マウスの作成に順当に成功した。予定していたサンプルを採取し適正に処理後フリーザーにて保存している。今後、分子レベルでの解析を順次行う予定である。
平成31年度は、筋機能の評価や筋組織を詳細に観察し、分子レベルでの解析を行う。また筋芽細胞培養細胞を用いて、CKDにおけるHMBやFGF19、ビタミンDの直接作用の検討を進める。結果を確認しながら次年度の研究計画を検討する。
(理由)3月に納品となり、支払いが完了していないため。(計画)4月に支払いが完了する予定である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件)
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