研究課題
CKDマウスに経口HMB/Arg/Lys(500/1250/375 mg/kg BW/day)、皮下FGF19(0.1 mg/kg BW/day)、またはビタミンD強化食(20 IU/g Diet)を併用し以下の解析を行った。骨格筋組織(腓腹筋、ヒラメ筋)について、各々重量及びサイズの計測を行なった。また、HE染色を行い、顕微鏡下で筋繊維を観察、筋繊維数や筋繊維横断面積を測定し、筋萎縮を形態学的に評価した。尚、経時的にグリップテストを行い、骨格筋機能として評価した。骨格筋を組織するミオシン重鎖(MyHC)や筋代謝関連分子(ミオスタチン、Atrogin-1など)mRNA発現を定量PCR、蛋白質発現を免疫組織化学染色、Western blottingにて検討した。メタボローム解析(CE-MS:キャピラリー電気泳動/質量分析装置)による血中および骨格筋アミノ酸組成を明らかにする。
2: おおむね順調に進展している
アデニン誘導CKDモデルマウスにアミノ酸もしくはFGF19とビタミンDの相乗効果を検討した。その中でも、ビタミンD補充とFGF19の併用群で有意に自発運動が増加し、腎機能の指標から腎保護作用と体重減少の抑制が認められた。しかし、体重は正常化するまでには至っていないため、骨格筋における作用がまだ不足していると考えられた。ビタミンD補充による腎保護作用はαKlotho発現の増加による抗炎症作用が考えられた。また、αKlothoは血液中に分泌されることから骨格筋においても抗炎症作用を示す可能性も示唆される。現状では、マウス筋細胞を用いて、FGF19および1,25D添加による直接的筋代謝や抗炎症マーカー等を詳細に解析中である。
主要な食欲制御ホルモン(血中レプチン、グレリン、コレシストキニン、ペプチドYYなど)を測定する。また脳におけるセロトニン合成や各受容体発現とシグナル経路の検討を行う。IS添加(1mM、72時間)によって誘導したCKDモデルC2C12細胞に対して25OHD(10nM-10μM)もしくは1,25D(0.1-10nM) 、HMB/Arg/Lys(50nM)、FGF19(50ng/mL)を同時添加した際のMyHCや筋代謝分子(ミオスタチン、Atrogin-1など)の発現を比較検討する。また、[3H]-Tyrosineを用いて、筋細胞内でのタンパク質分解、合成を評価する。CRISPR/Cas9(遺伝子編集技術)を用いてVDRもしくはCyp27b1遺伝子を欠損させたC2C12細胞を作製する。筋細胞内1,25D作用機序を検討するため、前記と同様に25OHDもしくは1,25D 、HMB/Arg/Lys、FGF19を添加した際のMyHCや筋代謝分子(ミオスタチン、Atrogin-1など)の発現を検討する。
3月に納品され、4月支払いのため次年度使用額が生じた。4月に支払い完了予定である。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
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