腰痛を生物心理社会モデルで捉える風潮が浸透してきており、その中でも腰痛に対する生活習慣の影響は大きい。しかし、その影響を支持する我が国のエビデンスは少なかった。そこで本研究では、健康診断ビックデータを用いて、血液データ、メタボリックシンドローム、生活習慣と腰痛症との関連を検討した。 その結果、腰痛症と血清脂質の異常との関連を認め、また女性では腰痛症とメタボリックシンドロームに有意な関連があり、メタボリックシンドロームに該当する者は、そうでない者と比較して、2.2倍腰痛症の割合が高いことが明らかとなった。さらに、不健康な生活習慣が集積すると、高血圧や糖尿病などの併存疾患の有無にかかわらず、dose-dependentに腰痛症と関連があることを見出した。
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