本研究では、膀胱及び消化管平滑筋に対するドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)の影響を検討するとともに、プロスタノイドTP受容体を介した収縮反応機構についても検討し、以下の研究成果を得た:1)収縮性プロスタノイドは膀胱のTP受容体を刺激することで膀胱の収縮活動を増加させた;2)膀胱のTP受容体の刺激による収縮活動の亢進は、Ca2+チャネルの活性化により引き起こされることが示された;3)TP受容体の刺激は膀胱の経壁電気刺激による収縮を増強し、この増強はDHAにより抑制された;4)EPAは膀胱の収縮活動を増加させた;5)DHA、EPAは消化管の収縮反応を非選択的に抑制した。
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