研究課題/領域番号 |
18K17994
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
横山 友里 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30781231)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高齢者 / 食品摂取の多様性 / 食事の質 / フレイル |
研究実績の概要 |
本研究では、現在の日本人高齢者の食品摂取の多様性を適切かつ簡便に評価可能な『改良版食品摂取の多様性得点』を開発し、その妥当性およびフレイル予防に対する有用性を検証することを目的に、今年度は既存の食事調査データをもとに以下の検討と食事記録調査を行った。2012年鳩山コホート調査または2013年草津縦断調査に参加した65歳以上の地域在住高齢者1089名を解析対象とした。栄養素等摂取量および食品群別摂取量は、簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いて調べた。DVSは、熊谷らのDVS(日本公衛誌、2003)を用い、改良版DVSはDVSの構成食品である10食品群の各摂取量について、男女別の摂取量の中央値に対して多い場合(中央値以上)を1点・少ない場合(中央値未満)を0点とした合計点(0‐10点)として算出した(MDVS1)。食事の質の評価指標として、The Nutrient Rich Foods Index9.3に基づき、砂糖を除く11項目の栄養素摂取量について、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」における推奨量に対する比率の平均値をとり、Overall nutrient adequacy score(ONA)得点を算出した。さらに、MDVSは、ONA得点に対する予測精度を高めるため、DVSの10の構成食品のほか、穀類、その他の野菜摂取量を追加し、重回帰分析の標準化係数で重みづけして算出した(MDVS2)。分析の結果、DVSとONA得点の間に有意な相関関係がみられたが、MDVS1とMDVS2ではDVSより強い関係がみられた。ONA得点を従属変数とした重回帰分析における調整済みR2乗は、DVSやMDVS1に比べ、MDVS2で高く、ONA得点に対する予測精度が高まった。摂取量を加味し、構成食品の追加や各構成要素の重みづけにより、食事全体の質をより反映できることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存の食事調査データをもとに、一定の対象者数を確保し、改良版DVSの開発にむけた検討ができた。得られた成果については、国内学会にて発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
改良版DVSの血液バイオマーカーに対する妥当性のほか、他地域での妥当性および前向き研究により健康アウトカムに対する予測妥当性を検討する。また、地域の介護予防・フレイル予防の現場等での汎用性をふまえ、改良版DVSの開発に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
食事調査の実施に係る経費の一部を研究室内の別予算から支出することができたため、研究費の使用額が減少した。 次年度実施予定の血液バイオマーカーの測定が高額であるため、余剰分はその予算として使用予定である。
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