研究課題
本研究課題では,簡潔で高速な文字列処理アルゴリズム開発への新たなアプローチとして,Lyndon 文字列や Lyndon 文字列に基づいたデータ構造の未知の性質を明らかにし,それらを用いたアルゴリズム開発を目的としている.この目的のために,Lyndon文字列に関連するトピックを中心に,様々な文字列処理アルゴリズムに関する問題に取り組んだ.その結果,9報の論文を査読付き国際会議にて発表,1報の論文を査読付き国際学術雑誌にて公表している.特にこれらの成果のうち,次に示す2つの研究については,本研究課題の核となるLyndon文字列に関する重要な成果である.1) Straight Line Program (SLP) と呼ばれる文字列の文法圧縮表現に対する高速なLyndon分解アルゴリズムの提案.2) 1文字および1ブロック編集後の文字列における最長Lyndon部分文字列クエリに対する高速なアルゴリズムの提案.その他の研究成果も,文法圧縮,文字列照合,接尾辞配列といった文字列情報学の中心的なトピックに関するものであり,本研究課題の目的のために重要な成果となっている.特に接尾辞配列については,Lyndon文字列と極めて関連性が高いものである.多くの研究成果が,当該分野のトップ研究者らが集まる国際会議 Combinatorial Pattern Matching (CPM) や String Processing and Information Retrieval (SPIRE) に採択された.また,その他の関連する研究テーマについてすでに成果を得ており,国際会議等での公表に向けて準備中である.
2: おおむね順調に進展している
研究業績の概要に示したように,本研究課題の核となるLyndon文字列に関する研究成果2件を中心に,文字列処理アルゴリズムに関する研究成果が得られている.そのため,本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる.
先に示したように,本研究課題はここまで順調に進んでいるため,次年度も計画に基づき推し進めていく予定である.
当初予定していた学会への参加を業務等により取りやめたため,次年度への繰越が発生した.予想を上回る研究成果が得られているため,次年度の助成金と合わせ,学会等参加の費用として使用する予定である.
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 8件)
Proceedings of Data Compression Conference 2019
巻: - ページ: 508--517
Journal of Discrete Algorithms
巻: 52-53 ページ: 122~132
10.1016/j.jda.2018.11.009
Proceedings of Annual Symposium on Combinatorial Pattern Matching 2018, LIPIcs
巻: 105 ページ: 24:1--24:10
10.4230/LIPIcs.CPM.2018.24
巻: 105 ページ: 19:1--19:10
10.4230/LIPIcs.CPM.2018.19
巻: 105 ページ: 12:1--12:14
10.4230/LIPIcs.CPM.2018.12
巻: 105 ページ: 9:1--9:10
10.4230/LIPIcs.CPM.2018.9
Proceedings of 25th International Symposium on String Processing and Information Retrieval 2018, Lecture Notes in Computer Science
巻: 11147 ページ: 254--267
10.1007/978-3-030-00479-8\_21
Proceedings of the Prague Stringology Conference 2018
巻: - ページ: 12--26
巻: - ページ: 91--102