研究課題
若手研究
理論計算機科学分野における最大の未解決問題であるP vs. NP問題の解決に向け,分岐プログラムに対する充足可能性問題のアルゴリズム設計による計算量クラスの分離に関する研究を行った.主に,幅が限定された分岐プログラムに対して,下界証明技法を用いたアルゴリズム設計が行えないか検討した.本研究では,線形サイズで幅が2である分岐プログラムの充足可能性問題に対して,下界証明技法を基にした,全探索よりも真に高速なアルゴリズムを設計することに成功した.
理論計算機科学
本研究での成果は計算量理論およびアルゴリズム理論の両分野に関連する成果といえる.計算量理論の分野においては,計算量クラスの分離という基礎的な問題に向けた第一歩と与えた.アルゴリズム理論分野においては,分岐プログラムサイズの下界証明技法を取り入れた新しい重曹可能性判定アルゴリズムの設計技法を与えた.