昨今ソーシャルディスタンスに伴うビデオ会議やオンデマンド動画の使用が盛んになっている.このようなサービスを支えるデータセンターは大規模化しており,大量の電力を消費している.したがって,このようなデータセンターにおける省エネ技術が活発に開発されている.省エネデータセンターでは処理仕事量に応じて,処理速度を変化することで,電力消費量とシステムの性能のバランスをとることができる.研究代表者はこの問題に注目して,省エネデータセンターの挙動をモデル化したいくつかの待ち行列モデルを提案・解析を行った.代表的な成果として2本の論文として発表した.一つ目はデータセンター全体を単一サーバ待ち行列M/PH/1としてモデル化し,サービス速度にいくつかの閾値を設けて,システム内の仕事量に応じて適切にこれらの閾値を調整する.このモデルに対して,系内仕事量などの性能評価量の分布を導出し,該当成果をQueueing Systems誌で出版した.二つ目として,サーバをブロックで起動・シャットダウンして、システムの処理能力を調節している.それに加えて最適なブロックサイズを求めるアルゴリズムを提案している.この成果はIEEE Transactions on Mobile Computing誌で掲載された.
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